チョンチョン@ビシュナプールコロニー

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【基本情報】

名前:チョンチョン・カリンディ(Chamcham Kalindi)

年齢:60歳 

家族:妻、息子2人

住んでいるところ:ビシュナプールハンセン病コロニー

         

チョンチョンはわぴねすがインドハンセン病コロニーで一番最初にワークキャンプを行ったビシュナプールコロニーという場所に住んでいます。いつも笑顔で、日本人キャンパーに対してもとても親切にしてくれるため、ビシュナプールに行ったことがある人はみんな大好きな人です。

 

今回はそんなチョンチョンにオンラインで彼の生い立ちなどを聞いてみました。

 

【インタビュー本文】

ー久しぶりですね!!

ー元気でしたか?

 

おー!!!元気だったよ!!

みんな元気にしてる??

日本のコロナはどんな感じなの?大丈夫?

 

ー日本は少し落ち着いてきたところですね~まだまだ油断は出来ないけど。

 ビシュナプールはどうですか?

 

コロニーのみんなは大丈夫だよ!けど、大きなお祭りがあったから感染者数が増えてちょっと心配だね。

 

ー今日はちょっとチョンチョンについて色々聞かせてください。

OK!

 

ーいつからビシュナプールコロニーに住んでいるんですか?

子供のころからだよ。実は小さいころは違う村に住んでいたんだ。そこから色々な場所を渡り歩いて、ここに来たんだ。ビシュナプールに来た時もかなり小さかったけど年齢は覚えてないな。

 

ー昔住んでいた村はどんなところでしたか?

あまり覚えてないけど、小さい村だったと思うよ。ビシュナプールコロニーよりは大きいけど、人はそんなに住んでなかった気がするな。

 

ーお父さんはどんな仕事をしていたんですか?

近くの農場で日雇い労働していたよ。

 

ーなぜここに来たんですか?

小さい頃に父親が亡くなって、お母さんと二人で暮らしていたんだけど、母親がハンセン病にかかっていたこともあって、村の中で差別されていたから安心な場所で暮らしたかったから。生活するために村の中で(母親が)物乞いとかしていたんだけど、全然助けてもらえなくて、逆に酷い扱いをされていたんだ。

 

だから母親と村を出て、色々な場所に行った。そうやって暮らしている中で、安心して住める場所があるっていう話を聞いて、ここ(ビシュナプールコロニー)にきたんだ。

 

(チョンチョンと今回のインタビュアーでもあるふらみ)

 

ーお母さんがハンセン病だったって聞きましたが、ご自身はハンセン病にかかったことはありますか?

昔、ハンセン病にかかったよ。ちゃんと薬飲んで治したから後遺症とかはないけどね。

 

ーチョンチョンが子供の頃の話を聞かせてください。

子供のころは学校に行ってなかったから、お母さんが物乞いに行くのについていったり、ゴミ拾いしてお金を稼いでいた。その時は政府のサポートとかなかったから貧乏で、、一日一食しか食べられなかったな。それもお米とほんの少しの野菜だけ。

 

少し大きくなったらベギングカー(※)にお母さんを乗せて、物乞いして回ってたよ。

 

ー学校に行ってなかったのはお金がなかったから?

それもあるけど、ハンセン病にかかった人はとても差別されていて、学校に行くことも出来なかったんだ。学校からくるなって言われて。本当は学校に行って勉強したかったんだけどね。

 

学校にはいけなかったけど、政府の支援で「サインの書き方」だけ習ったよ。だから文字の読み書きは出来ないけど、自分の名前だけは唯一書けるんだ。

 

(左から、チョンチョン、次男のビル、奥さんのロッキモニさん)

 

ーここからは家族の話を聞かせてください。

 結婚されてますよね?奥さんとはお見合い結婚ですか?

いや、恋愛結婚だよ。妻は大分年下(チョンチョンより15歳位下)だからなんか恥ずかしいな。妻もビシュナプールに住んでいて、それで結婚したんだ。今は息子が二人いて、上の息子はもう結婚して子供もいるよ。

 

ー息子さんたちには、コロニーでの生活について教えてもらったりワークキャンプを手伝ってもらったり、たくさんお世話になりました!ふたりは元気ですか?

 

弟のビルは、途中まで大学に行ったけれど卒業はできなかったんだ。今は日雇い労働をしているよ。何か仕事があったら呼ばれて行くんだ。

 

ービル君は結婚はしていないの?

 

もっと良い仕事に就いて、お金を稼げるようになったら結婚すると思うよ。

 

兄のラジューは、君たちが来ていた頃から変わらずセメント工場で働いているよ。シヴァという5歳の男の子がいるのは君たちも知っているよね?ついこの間、ロニータという女の子も産まれたんだ!

 

ーおめでとうございます!ロニータちゃん、会ってみたい!

 

(一番右:長男のラジュー君)

 

ーチョンチョンは普段どんな一日を過ごしているんですか?

 

今は持病の糖尿病が悪化して仕事をしていないんだ。いつもは洗濯をしたり料理を手伝ったり、家事をしているよ。2匹のヤギと5頭の子牛を飼っているから、その世話もするね。

 

ーチョンチョンが作るアル―チョップ(※インド風コロッケ?)、おいしかったな…

 

今度コロニーに来たら作ってあげるよ!

 

ーチョンチョンが好きな食べ物は何ですか?

 

甘いものが好きだけど、糖尿病があるからパンとかごはんしか食べられない。

ラスグッラ(※お祝いの時に食べるスイーツ)も、ちょっとしか食べないよ。

インドのスイーツはとても甘いからね。

 

ーチョンチョンはこれまでたくさんの日本人キャンパーと会ってきましたよね。

 何か思い出はありますか?

 

一緒に料理をしたり買い物に出かけたりしたことは絶対に忘れないよ。

自分の人生の中でとても美しい思い出として覚えている。

日本というとても遠いところから来て、コロニーのためにいろいろ作ってくれたり買い物を手伝ったりしてくれたことに、とても感動したんだ。2012年に君たちが来る前は、コロニーには外国人はもちろん、ほとんど来る人がいなかった。一緒に時間を過ごして、一緒におしゃべりするような人たちは君たちが初めてだった。

コロニーの皆で君たちを駅まで送り届けたこともあったね。君たちが日本に戻るときはまるで家族がどこかに行ってしまうかのように感じたよ。

 

(前代表の梶田と火をおこして料理している様子)

 

ー ビシュナプールの街もインドの文化も知らない私たちを、最初に訪れたときから温かく受け入れてくれて本当に感謝しています。私たちもコロニーの皆さんを家族のように思っています!

 

ー長い時間インタビューにお付き合いいただきありがとうございました!

 

久しぶりに話せてよかったよ!

 

(インタビューの様子・生き生きと語るチョンチョンとなぜか微妙な表情のインタビュアーたち)