カテゴリー:NPO法人わぴねす
ナマステ~!
インドウェストベンガル州にある ビシュナプールハンセン病コロニーからこんにちは、かじこです。
突然ですが、みなさん、(もう過ぎてしまいましたが) 毎年1月の最終日曜日が何の日かご存知ですか?
…はい、そうです! 「世界のハンセン病デー(World Leprosy Day)」です!
毎年、ハンセン病に対する正しい啓発と患者の幸せを願って多くの国で様々な行事が行われています。
今年は1月30日に、インド首都デリーでグローバル・アピール
私が活動してるウェストベンガル州の州都コルカタでは、
州内の38か所のハンセン病コロニーに住む人々によるデモ行進
州知事に対する嘆願書の提出が行われました。
私もコロニーの人々と一緒にデモ行進に参加してきましたので、報告させてもらいます!
コルカタの一番大きな駅Howrah駅から、約4000人が参加しました。
老若男女問わず、ハンセン病の後遺症を抱えている人も、杖をつきながらゆっくりと行進。
最後は、都市の真ん中Esplanadeで、啓発活動
嘆願した内容は3点です。
1)すべてのハンセン病コロニーにコロニーとしての認可、権利の要請
ウェストベンガル州にある38のコロニーのうち、いまだに何か所かが政府の認可を受けることが出来ていないコロニーがあります。 コロニーはもともと、故郷を追い出されて浮浪していたハンセン病患者・快復者の人々が、 空き地に集まって定住してできた、 いわゆる『定着村』と呼ばれるものです。
そのため、その土地は個人や国の所有地であったりすることがあり、 所有者から認可をもらえない限りは、定住することも、家を建てることもできない状態にあります。 このような成り立ちのため、たびたび(特に)個人の所有者から急な立ち退きを命じられたり、 近年はめったに起きなくなりましたが、時には殺傷・殺人事件が起きたりすることもありました。
ウェストベンガル州では、現在は個人の土地に形成されたコロニーはないようですが、 暗黙の了解で住み続けてはいられているけれど、 認可を受けて堂々と住みたい、安心して生きられるようになりたい、という嘆願です。
(勝手に住み始めた土地の所有者や政府から認可がほしいという、通常ではなかなか考えられない内容ですが、 ハンセン病患者・快復者の人々の社会から受けた扱いを考えると、何とも考え込んでしまう、本当に難しい問題だと思います。)
…この嘆願書を読んで、治療という名目(大した治療は行われず、強制労働などが実際は行われていましたが)で 隔離政策を行った日本や中国のハンセン病療養所やハンセン病快復村は、 ハンセン病患者にとって少なくとも定住できる居住地となっていたという意味では、 多からずも救いになっていたところがあったという話が思い出されました。
2)就労問題の改善、自助組織の助成要請
現在、ハンセン病コロニーには、ハンセン病を以前患ったハンセン病回復者の第一世代のほかに、 第一世代が結婚してもうけた第二世代、孫にあたる第三・四世代が共に暮らしていることが多くあります。 第二世代以降はハンセン病の罹患歴が必ずしもあるわけではないので、 後遺症を抱えておらず、社会でまっとうに仕事ができる健康状態にあります。
また、第二・第三世代を中心として、自分たちやコロニーの今後を改善するための 自助組織(self-help group)が形成されていたりします。 今回の要請は、自助組織が考えたビジネスプラン(たとえば酪農や農業など)の後押しを行ってほしいというものです。 自立した生活をいくら望んでも、収入のほとんどが物乞いという状態では、新しいビジネスを始めることが難しいからです。 そこで、初期費用などの助成を要請したとのことでした。
3)RATION CARDの発行の要請
RATION CARDとは、州によって貧しい人々に発行されている、必要物品が格安で購入できるようになるカードです。 このカードがあれば、1キロ50ルピーするお米が、 わずか1~5ルピーで購入することができるようになったりします。 コロニーの人々の中には、RATION CARDを持っていない人が少なくないため、発行してほしいという要請でした。
長くなりましたが、2時間以上ゆっくり歩き続けたことで、寒くて震えていた私も、 体がぽかぽかになりました。(笑)
また、コロニーを出たことのない子供たちがコルカタに初めて来て、 私と一緒に手をつないで歩いている際、 大きな建物やさまざまな店を見て目を輝かせているのを見て、 この子たちに、好きなことができるという「選択肢」を将来持ってもらいたい、 と改めて切に願いました。
これからも、「あらゆる人々がいきいきわくわく生きることのできる世界」を目指して、 日進月歩ではありますが進んでいきたいと思います。
以上、コルカタでのデモ行進レポートでした!
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そこに住む人々が1日1ドル以下で暮らしていることを。
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