HANSEN DISEASE INFO IN INDIA

インドのハンセン病基本情報

 

新規患者数

 

2014年度末の新規患者数は約21万3,899人です。(2014年WHO調べ) その内の約13万人がインドで発症しており、続いてブラジルの3万5千人、インドネシアの1万7千人です。

 

1991年WHOは人口1万人に1人以下の患者数になることを「公衆衛生上の制圧」と定めました。インドでの制圧は不可能といわれていましたが、政府並びに各州政府の懸命な努力によって、2005年に制圧に成功しました。

 

しかしながら、いまだインドの新規患者は後を絶たず、世界中で新規患者数が最も多い国といわれています。

 

 

 

  

 

インドハンセン病コロニー

 

インドハンセン病コロニーは、調査できている範囲だけでも、インド全土に700箇所以上あるといわれています。しかしながら、コロニー数、新規患者数共に正確に 把握しきれているわけではなく、これ以上の数であるともいわれています。

 

多くのハンセン病コロニーは、物乞いをするために町の繁華街や駅の近くに点在していることが多いです。ただし、浮浪していたハンセン病患者やハンセン病回復者が勝手に住み始めてコロ ニーを形成していることが多いため、政府からの認可や援助を受けているコロニーは数少なく、そこの土地の所有者に追い出されたり、近隣の住民に家に火をつけられたりするケースもあります。

 

 

 

 

 

 

インドハンセン病コロニー構成員

 

インドハンセン病コロニーは、ハンセン病回復者(第一世代)、その子ども(第ニ世代)、その孫(第三世代)が暮らしています。

 

インドは、世界でも珍しく国を挙げての隔離政策を行ってこなかったため、多くのハンセン病快復者は、ハンセン病快復者どうしで結婚し、子どもを出産し、家族を形成しています。 インドハンセン病問題の恐ろしいことは、ハンセン病回復者だけでなく、彼らの子どもや孫にまで差別の連鎖が及んでしまうことです。ハンセン病に罹患したわけではないのに、ハンセン病コロニーで生まれ育ったというだけで差別の対象となります。

 

各世代ごとに左記のような特徴が挙げられます。

 

 

 

インドのハンセン病問題

 

劣悪な居住環境

 

インドハンセン病コロニーの多くは、上下水道、電気、トイレなどの基礎的なイン フラが整っておらず、コロニーによってはスラム同様の環境のところもあります。

 

家屋は、土で作った壁に、ゴミ袋を重ねて作ったものがほとんどで、雨期の激しい 雨や台風で、屋根が抜けてしまったり、家ごと潰れてしまったりします。家の中は、 土がむき出しで不衛生な環境のため、後遺症を悪化させる原因にもなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医療の欠如

 

後遺症のあるハンセン病回復者への住環境面、身体面でのケアが十分に行き届いて いません。政府からの援助があるコロニーもありますが、支払いが不定期で少額のため、安定して薬を手に入れることができていないのが現状です。

 

また、後遺症が重いハンセン病回復者は、他の患者が怖がるからという理由で病院側から受診を拒否されることもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

就労機会の欠如

 

インドでは、ハンセン病に罹患すると、カースト(職制)から外れて不可触民となります。カースト(職制)から外れるということは、仕事に就けないことを意味し、不可触民は物乞いでしか収入を得られなくなります。

 

彼らは、ベギングカートと呼ばれる荷車に後遺症の重いハンセン病回復者を載せて、 近くの市場まで物乞いに行きます。憐れんだ目で仕方なくお金をくれる人もいますが、中にはツバを吐きかける人もいます。

 

 

 

 

 

 

 

教育機会の欠如

 

インドハンセン病コロニーでは、貧困や差別のため、学校に通えない子どもが多く います。家が貧しい子どもは、学校を辞めて、児童労働や物乞いをしながら街中を うろつくようになります。

 

また、ハンセン病コロニー出身というだけで、学校でいじめに遭い、そのまま辞め てしまう子どももいます。こうした経験は、子どもたちから教育の機会を奪うだけ でなく、自尊心や希望も奪ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

差別・偏見

  

インドでは、ハンセン病が治っても、不可触民としてのスティグマは消えることなく、根強い差別が残ります。一度、不可触民に落ちた者は、二度とカースト(職制)に戻ることができず、同じ人間として扱ってもらえません。

 

こうした周辺住民からの「差別意識」が、ハンセン病コロニーの人々の自尊心を奪い、「自分は生きる価値のない人間だ」と思い込ませ、彼らの「被差別意識」を生み出します。