ロキカント・アヒール@ビシュナプールコロニー

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【基本情報】
名前:ロキカント・アヒール(Laxmikanta Ahir)
年齢:43歳
家族:5人
―構成:妻、息子(21歳)、娘2人(17歳、13歳)
    17歳の娘は既に結婚して家を出ている。
住んでいるところ:現在はビシュナプールコロニー近くの親戚の家に住んでいる。
仕事:TOTOドライバー
 
 
 
【インタビュー本文】
―お久しぶりです!
―TOTOドライバーとして働き始めて5年経ったけど何か変化はありましたか?
TOTOドライバーになる前は人力タクシー(通称:リキシャ)だったからすごい重労働だった。
今はほとんどの乗客がリキシャを使いたがらないよ。みんな急いでるし。
だから以前と比べると結構お金を稼げてるよ。
 
―1日どのくらい稼ぐことが出来ているんですか?
いい時はRs.1,200(2,160円)、普通の時はRs.200~300(360~540円)くらいかな。
だから1か月だと大体Rs.9,000(16,200円)くらい。
他のレンタル業者はRs.200/日とられるから、わぴねすからレンタル出来てとてもありがたいよ!
おかげで貯金も毎月出来てるしね。
 
―コロニーでトラブルがあって、今はコロニーの外にある親戚の家に住んでいると聞いたのですが……
うん、実はコロニーでいじめられたんだよね。水をもらえないとか、無視されたりとか。
だから引っ越したんだ。自分だけがまじめにTOTOのレンタル料を払っている(※)から
それが他の人からしたら「和を乱しやがって」ってなったみたい。
コロニーでの問題とかはあったけど、今はコロニーに住んでないし、ちゃんとお金を稼げてるから家族みんな幸せだよ!
 
(※)
現在、わぴねすからレンタルをしているTOTOのレンタル料の支払いを
多くのドライバーが滞納するという問題が起きている。
ロキカントさんはこのコロニーで唯一まじめに支払っているTOTOドライバー。
 
 
―レンタル料を支払わない人が多いけれど、どうしてロキカントさんはまじめにレンタル料を払っているんですか?
TOTOドライバーとして働き続けたいからだね。
それに自分でTOTOを買ったとしても、バッテリーとかのために貯金する必要があるよね。
だからレンタル料を払っているというよりかは貯金してる感覚だよ。
 

( TOTOの使い方のレクチャーを受けるプロジェクト参加者)

 

 
―話は変わりますが、ロキカントさんがコロニーに来た時のことを教えてもらえますか?
OK. 父親がバンクラのログプールというここから1時間くらいのところに住んでいたんだ。
結婚して、息子もいた。だけどハンセン病にかかったせいで、家族から追い出されて、
ビシュナプールに一人で来た。そこで出会った人と結婚して自分が生まれたんだよ。
奥さんはハンセン病コロニーの人じゃなくて、普通の人だよ。
 
―お父さんがハンセン病にかかったせいでビシュナプールに来たんですね。
ロキカントさんはハンセン病にかかったことはありますか?
自分もかかったことあるよ。
自分の場合はすぐに薬を飲んだから背中にすこし斑紋があるくらいだけどね。
 
―ロキカントさんが小さい頃の様子を教えてくれませんか。
10歳のころに父親が死んだから、それからずっと働いているよ。
お母さんは物乞いをして、自分は他の人の牛の世話をしたり、
15歳くらいからは土木の仕事をしたり、
結婚してからはリキシャを買って働いていたんだ。
 
―お父さんは病気かなにかで亡くなったんですか?
いや、殺されたんだよ。
父親は駅で毎日物乞いをしていたんだ。でもそれを嫌う人もたくさんいて、
鉄道の職員とかいろんな人が殴ったり蹴ったりして……それで死んだんだ。
 
―そうだったんですね……
 
 
―少し話を戻しますが、毎月貯金しているといっていましたが、なにか目標があるのですか?
自分の家を将来建てたいんだよね。うまくいけば5年後くらいに建てられるかも?(笑)
 
―いいですね!
―気づいたらもう一時間も経ってましたね。長い間すみません!
大丈夫だよ!久しぶりに話せて楽しかったし、あっという間だったよ!15分くらいの感覚。
また話そうね!うちにも遊びにおいで!
 
―はい、是非!
 

(写真右:ロキカント・アヒールさん)

 

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