こんにちは、やぎです。
最近は朝晩の冷えがひどく、昼との温度差が10度以上。
最低気温が20度近くなのでそこまで寒くはないのですが、温度差が、、。
最高気温が低くてもいいので温度差がなくなってほしいです。
さて、今日はインド人には所縁のあるガンジス川についてご紹介。
私たちインターン生、二人とも計10ヶ月くらいはインドに住んでいるのですが、いまだにバラナシに行ったことが無いですし、ガンジス川もコルカタにあるフーグリー川しか見たことがありません。
なんでこんなにインド人に奉られているのか気になったので、ご紹介します!!
ガンジス川は
ヒマラヤ山脈の南麓ガンゴートリー氷河(ウッタラカーンド州)を水源としており、そこからずっと東に流れていき、バングラデシュに入り、ベンガル湾まで流れています。
平均水量は18,490 m³/s!
流域面積は1,730,000 km²で、日本の利根川のおよそ103倍!
実はこれ、日本の面積の4.5倍です、、笑
(因みに日本の面積はインド全体の面積の5%にも及ばないほど、インドは大きな国です)
大きな河だとは思っていましたが、ここまで大きいとなんだか怖いですね。
さて、ガンジス川がどれだけ大きいかはわかりましたが、なぜインドでは神聖視されているのでしょうか。
ここで考えられるのは、インド二大叙事詩であるラーマーヤナにおけるガンジス川の記述です。
森真里子は『古典インドの「沐浴」ー『ラーマーヤナ』を中心としてー』にて、
ラーマーヤナの記述から、ガンジス川は
”神々の住まう天界とわれわれ人間の住む地上界とその下に広がる地下世界(地獄界)という三界を貫流する稀有なる川ということになる。
その水は、したがって身体の表面に付着した汚れを洗い流す、きれいな水以上のものである。われわれ生類にとって昇天を拒む<汚れ>たる<罪業>を洗い流し、浄化するものである。 ”
と語っています。
またガンジス川を神格化したガンガー女神という神様も存在します。
その女神の神話では、ガンガーが遺灰に降り注ぐことで、罪を無くし、天国に導いたと言われています。
ヒンドゥー教徒にとって、ガンジス川は全ての世界をつなぐものであり、忌み嫌っている「罪や穢れ」といったものを流してくれる唯一の方法なんですね。
インド人にとって、ガンジス川がどれだけ神聖なものかがわかりますね。
実はこのガンジス川、インド国歌のジャナ・ガナ・マナにも出てきます!
バラナシでは、1日に300人が火葬されているそう。
火葬で使われる木の種類は様々。
裕福な家庭では白檀を、中階級はマンゴーの木を、貧困層では牛糞を使うことも。
また、2015年には、100を超える遺体が川に漂流していたことで、貧困層は金銭的問題から遺体をそのままガンジス川に流しているのではないかと言われています。
妊婦や子供は火葬ではなく、そのまま川に流すという噂もありますが、本当なのかどうかはわかりません。
因みに私の友人①は、家の近くの川で葬儀をするといっていました。
友人②は火葬場近くの蓮の咲き乱れる池に遺灰を巻くと言っていました。
そもそもバラナシに行くこと自体、お金の問題が付いてきますよね。
1日に300人、つまり1年で10万人の火葬が行われているガンジス川、流れているのは遺灰だけではありません。
①プラスチックゴミ
インドではゴミをそこらへんにポイ捨てするのは日常茶飯事。
そのため、川にもゴミがたくさん捨てられています。
特にプラスチックは動物が食べるわけでもないのでずっと残り続けます。
②生活排水・下水
川や池で体を洗ったり、食器を洗う習慣がいまだにインドでは残っています。
野外排泄もいまだに目にすることが多いです。
また、家庭で出た生活排水も、そのまま川に流れていきます。
そのため川には洗剤や汚水が流れています。
③工業廃水
ガンジス川付近にある工場では、工業廃水が直接捨てられている場面を見ることも。
④お祭りで使用した神体
先日行われたドゥルガプージャやディワリプージャ。
それぞれのお祭りのフィナーレはお祭りの間に祀った御神体を水に沈め、流すこと。
神様を神界にお返しするという意味で行なっている儀式です。
この御神体も、川で見られます。
2017年の政府調査では、最大で基準値の23倍のふん便性大腸菌が検出された地域もあるそう。
これでもインド人にとっては聖なるものなのでしょうか。
沐浴ができなくなった時、どうなるのか、、。
死んでも入る!これこそ最大の贖罪だ!なんて人も出てきそうですね、、。
さてさて、ガンジス川がなぜインド人に神聖視されるのか、そして現在どのようにガンジス川が使われているのか、少しは理解できたかなと思います。
無宗教の人口が着実に増えているインドで、沐浴は、そしてガンジス川は、どのようにその価値を保つのでしょうか。
人々の、それらを見る目は変わるのでしょうか。
少し楽しみな今日この頃です。