カテゴリー:インターン生日記 / インドあれこれ / インドお役立ち情報
みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。
今回の話題は私たちがインドでかなり苦しんでいる「ネズミ」問題についてです。
現在の日本では家の中で見かけることはほとんどないと思いますが、屋根裏を歩いている音がする、最近異臭がすると思ったらネズミが死んでいた…なんていう話はたまに聞きますよね。
私たちが住んでいるオフィスでは、最近は頻度が減りましたが、以前は1日に何度も家の中を走り回っているネズミを見かけるほどでした。
ネズミたちはそこらじゅうに糞を大量に落としていくし、その辺にある色々なものをかじってしまうので、私たちは本当に困っていました。
さらに、ネズミがいることによる問題はこれだけではありません。
実は、ネズミは様々な感染症を媒介しているんです。
そのため、ネズミを放置しておくと危険な感染症に罹ってしまう恐れもあります。
ということで今回は、ネズミが媒介している感染症と、私たちがオフィスで実施したことのあるネズミ撃退方法を紹介したいと思います!
まずは、ネズミに直接噛まれた際に感染する危険のある病気を紹介します。
①鼠咬症(そこうしょう)
これはその名の通りですね。
病原菌をもったネズミに噛まれたり、傷口から病原菌が入ることで起こる病気です。
突然の悪寒、上がり下がりを繰り返す発熱、頭痛、嘔吐、筋肉痛など、インフルエンザのような症状で発症し、続いて手や足の皮膚に発疹が現れ、関節が赤く腫れて痛みます。
②アナフィラキシーショック
これはハチに刺された時に起こることで有名ですが、実はネズミに噛まれた際も発症する可能性があります。
体内で急激なアレルギー反応が起こり、全身の腫れ、呼吸困難、意識障害が現れ、時として死に至る場合もあります。
このほかにも、噛まれることで狂犬病に感染する可能性もゼロではありません。発症すれば致死率はほぼ100%です。
①レプトスピラ症(ワイル病)
この病気は、菌を保有しているネズミ、イヌ、家畜などの哺乳動物の尿から排泄され汚染された土壌や水、保菌動物と接触した際に、皮膚や粘膜から体内に菌が侵入することで感染します。
風邪のような症状のみで軽快する軽症型から、黄疸、出血、腎障害を伴う重症型(ワイル病)まで多彩な症状を示します。
日本では昔は多く患者が発生していましたが、衛生環境の向上などにより患者数(死亡者数)は著しく減少していますが、現在でも散発的な発生がみられるので注意が必要です。
②サルモネラ症
これは食中毒の一種です。名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
ネズミやその排泄物に多く含まれているサルモネラ菌が食べ物や食器などに付着し、それを口にすることで感染します。
腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が出て、重症の場合には死亡するケースもあります。
③ハンタウィルス肺症候群
これは、咬まれたり糞尿に触れたりすると感染します。
発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、嘔吐、下痢、倦怠感などを伴い、肺に水がたまり呼吸困難やショック症状が出ます。
50%という高い死亡率が報告されており、有効な治療法は、未だ確立されていません。
現在、日本では発生していません。
④腎症候性出血熱
この病気は、原因が発見されるまで、長らく原因不明の風土病・奇病として扱われていました。
軽症例はかぜに似た症状で発熱、頭痛などが起こり、蛋白尿や血尿がみられる程度ですが、重症例では血圧の低下、火かおよび臓器の出血、腎不全などにより死亡することもあります(死亡率10%ほど)。
糞や尿から感染する病気には恐ろしいものが多いので、もし見つけても絶対に素手で触ったり処理したりしないように注意が必要です!
①ツツガムシ病
ツツガムシ病は、ツツガムシというダニが持つ「ツツガ虫リケッチア」が原因で起こる感染症です。
典型的な症例では39 ℃以上の高熱を伴って発症し、皮膚には特徴的なダニの刺し口がみられ、水泡になります。
その後数日で体幹部を中心に発疹がみられるようになり、重症化すると脳炎や肝機能障害などが起こることもあります。
②ペスト
これはみなさん名前を聞いたことがあると思います。
ペスト菌を持つネズミの血液を吸ったノミが人間を刺すことで感染する病気です。
高熱が続き、目まい、虚脱状態に陥り、皮膚が乾いて黒紫色の大きな斑点が浮かんできます。(「黒死病」との別名はここからきています。)
敗血症や肺炎で死にいたることもあります。
さて、恐ろしい病気の数々を紹介してきました。
これらに感染してしまわないためにも、ネズミ対策をすることはとても大事です。
①ネズミが家に入ってこないようにする
まずは一番根本的な対策として、壁の穴をふさぐなどして家にネズミを入れないことが大事です。
②食べ物の保管方法に気を付ける
食べ物を開けたまま放置していると、それにネズミが寄ってきてしまうことがあります。
特にインドでは簡単に食べ物を食い荒らされてしまうので、密封できる容器に食材を入れておくのがベストですね。
③ネズミ捕り器を使う
日本ではあまり使わないかもしれませんが、実際に私たちもインドのオフィスで使用しました。
しかし捕まえられたのは2匹だけ、ネズミは減らないという結果に。罠にかかったネズミの始末にも困ったので、少し使い勝手は悪いかもしれません。
④殺鼠剤を使う
私たちが試した中で一番効果があったのがこれで、おかげでネズミの被害は少なくなりました。
しかし、この方法を使う上で気をつけたいのが、ネズミの死骸の処理です。
死骸を放置しておくと衛生的にも問題ですし、さらなる病気にもつながりかねないので、ネズミの死骸があることに気がついたら一刻も早く処理すべきです。
処理の際は、決して直に触らないようにしてください。専門業者に頼むのもよいですね。
以上がネズミ対策になります。
①②はネズミ被害が発生していなくても、念のためにしておくとよいかもしれません。
ネズミによって恐ろしい感染症にかかってしまった…なんてことにならないように気をつけたいですね!
それでは今回はこのへんで!