みなさんこんにちは、かじこです。
先日また台風が日本を襲ったようですが、みなさんのお家は大丈夫でしたでしょうか。私の地元では、道路が冠水して通行止めになった箇所があると緊急速報メールが届いておりました。
こちらインドビシュナプールは、天気もだいぶ落ち着き、秋晴れのような気候が続いています。
先日また所用でコルカタに行っていたのですが、たった200km位しか離れていないのに、ビシュナプールとコルカタでは気候に若干ですが差があります。ビシュナプールは、今の時期からっとしているのに対し、コルカタはまだ蒸し蒸ししており、蚊の感染症「デング熱」注意報が現在も出ている状態だそうです。連日ニュースでも、デング熱による死亡者が報道されています。
日本もそうですが、インドは地域によって気候差がとても大きいので、観光や出張の際は、必ず訪問する地域の気候をしっかり調べて荷物を用意したほうがいいと思います。
…という記事を書いている最中に停電…。
雨も降っていないのに、なぜ…。
…さて、今日は本当はコルカタで訪問したスーパーマーケットについて書こうと思っていたのですが、流れに沿って、今日は「蚊が媒介する恐ろしい感染症」についてお話ししたいと思います!
長くなってしますが、とても重要な情報なので、ぜひ渡航予定のある方が読んでおかれた方が良いかと思います。
インドで気を付けなければならない「蚊が媒介する恐ろしい感染症」には、主に3つあります。
○感染様式(どうやってかかるの?)
ウイルスを持っているネッタイシマカやヒトスジシマカなどに刺されることでうつります。
○症状(かかるとどうなるの?)
感染してから2から15日(通常2から7日)症状のない期間があった後、38~40℃の発熱、激しい頭痛、関節炎、筋肉痛、発疹がみられます。
この発疹は風疹との同じような小さな紅斑で、痒みや痛みはありません。熱が下がったあとにうすいアザが手足やわきの下にでることもあります。
○治療法(かかったらどうすればいいの?)
特別な治療法はなく、症状に応じた治療が行われます。死亡率は1%以下と言われています。また、アセトアミノフェン以外の解熱剤(総合風邪薬や市販の解熱剤のほとんど)を服用すると、症状を重症化させてしまうので、自己判断で絶対に服用してはいけません。
デング熱の対症療法に使用するアセトアミノフェンの解熱剤は、必ず医師に処方してもらって服用するようにしましょう。
○デング出血熱およびデングショック症候群とは?
デング熱ウイルスに感染したヒトのうち、最初はデング熱とほぼ同様に発症し経過しますが、熱が平熱にもどるころに血液中の液体成分(血しょう)が血管からもれ出したり、出血の症状が現れたりすることがあります。
この病気はデング出血熱と呼ばれ、適切な治療を行わないと死亡することがあります。血漿のもれは胸水あるいは腹水として現れます。出血は比較的軽い点状出血、注射部位からの出血、鼻出血、血便、重篤な吐血、下血と多様です。血漿のもれが進行するとショック症状を起こし、デングショック症候群とも呼ばれます。
また、デング熱は、デングウィルスに2回感染すると重症化する恐れがあります。気を付けないといけないのは、1度目の感染と2度目の感染でそれぞれ違う種類のデング熱ウイルスに感染した場合です。
デング熱には4種類の血清型があって、1度目の感染と2度目の感染でそれぞれ違う種類のデングウィルスに感染した場合、デング出血熱とデングショック症候群の発症の リスクが高まり、致死率も最大40〜50%まで上がります。
一方で、1度目と2度目で同じ種類のデングウィルスに感染した場合は、1度目の感染で抗体ができているので2度目の感染では発症することはありません。
○感染様式(どうやってかかるの?)
マラリア原虫をもったハマダラカに刺されることで感染する病気です。
○症状(かかるとどうなるの?)
1週間から4週間ほどの潜伏期間をおいて、発熱、寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。マラリアには4種類(熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、四日熱マラリア、卵形マラリア)あります。
その中でも、熱帯熱マラリアは発症から24時間以内に治療しないと重症化し、しばしば死に至ります。脳症、腎症、肺水腫、出血傾向、重症貧血など、さまざまな合併症がみられます。
○治療法(かかったらどうすればいいの?)
マラリアと診断されたときには抗マラリア薬を投与します。感染した地域やマラリアの種類によって使用する薬剤が異なります。マラリア予防薬を内服していても感染することがあります。また、予防薬と治療薬は別と考えてください。
○予防法(予防薬について)
マラリアには予防薬があります。マラリア流行地へ渡航する際は、抗マラリア薬の予防内服を行うことが望ましいとされています。国内で承認されている予防薬としてメファキン「ヒサミツ」錠 275®(メフロキン塩酸塩錠)やマラロン配合錠®(アトバコン・プログアニル塩酸塩配合錠)があります。
マラリア予防薬は、医師の処方が必要です。渡航先の流行状況や滞在期間、活動内容、基礎疾患の有無などによって適応となる予防薬が異なります。ご自分の体調や渡航先について事前に専門医と相談し、必ず専門医の指示に従って服用してください。予防薬を服用していても防蚊対策は必要です。
○感染様式(どうやってかかるの?)
日本脳炎は、フラビウイルス科に属する日本脳炎ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症です。日本脳炎ウイルスはブタの体内で増殖し、蚊によってブタからブタにウイルスが伝播します(ブタ→蚊→ブタの流行)。
一方ヒトは、ブタから感染した蚊に刺されて感染します(ブタ→蚊→ヒト)。 ヒトからヒトへの直接感染はありません。 ウイルスの媒介蚊は、主にコガタアカイエカ(コガタイエカ)で、日本をはじめ多くのアジア諸国に生息しています。
○症状(かかるとどうなるの?)
ウイルスを保有する蚊に刺されても多くの人は症状が出ません。 感染した人のうち、100人から1000人に1人の割合で発病するといわれています。 通常6-16日の潜伏期間の後、高熱、頭痛、嘔気、嘔吐がみられます。 次いで、意識障害、けいれん、異常行動、筋肉の硬直などが現れます。 重症例のうち50%が死亡するといわれ、生存者の30~50%に精神障害や運動障害などの後遺症が残るといわれています。
○治療法(かかったらどうすればいいの?)
特別な治療法はなく、対症療法が行われます。
〇感染様式(どうやってかかるの?)
ネッタイシマカやヒトスジシマカからヒトにウイルスが運ばれて感染します。ヒトからヒトには感染しません。
〇症状(かかるとどうなるの?)
潜伏期間は2~12日(通常2~4日)です。その後に、発熱、関節炎、発疹がみられます。関節の痛みは、手首、足首、指、膝、肘、肩などに現れます。結膜炎や神経系の症状もみられます。出血しやすくなることもあります。
死に至ることは稀ですが、関節の痛みが月単位、年単位で続くことがあります。症状によるデング熱との鑑別は困難です。デング熱よりも潜伏期間が短く、旅行中に発症する可能性があります。
〇治療法(かかったらどうすればいいの?)
ウイルスに対する治療薬はありません。症状に応じた対症療法が行われます。デング熱と同様に、出血傾向をきたすことがあるためサリチル酸系の解熱・鎮痛剤を避け、アセトアミノフェンを服用します。
下記の恐ろしい病気を防ぐ方法は、ほぼ一択。『蚊に刺されないこと』です。マラリアは予防薬もありますが、副作用も報告されているため、当団体では積極的に推奨はしていません。
次回はインドで使える「蚊よけグッズ」を紹介しますので参考にしてもらえればと思います。
先日も、冬季にも関わらず、私の知り合い(インド人の30代男性の方)がチクングニア熱で亡くなったと聞きました。ちょっと体調が悪いといって仕事を休んでいたら、数日後に亡くなっていたという事でした。
子供、老人だけでなく、働き盛りの年代でも被害に遭っています。
また、蚊というと、日本では夕方に多いイメージですが、デング熱などは、朝や昼の時間帯に多くいるヒトスジシマカが媒介します。夕方だけでなく、日中の対策もしっかり行う必要があります。
これらを踏まえても、インドに渡航する際には、予め正しい情報を得、効果的な対策をとることがとても重要です。私もそうですが、みなさん、しっかり対策してインドに臨みましょう!
※以上の情報は、当団体の安全対策資料から抜粋したものです。安全対策資料は、海外感染症専門家に意見をもらいながら、外務省などが提供している情報を参考に作成しておりますが、少しでも調子が悪いなと思った場合はすぐに病院に行き、専門家の指示を仰ぐことが大切です。
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