コロニーの人ってどんな家に住んでいるの?~インドハンセン病コロニーの実情~ わたなべ (インドインターン日記 vol.66)

カテゴリー:インターン生日記 / インドあれこれ

みなさんこんにちは、ゆーきゃんです。

 

実は昨日インドで誕生日を迎えました。

 

夜ごはんは盛大にスパムを焼いて食べました!キャンプに参加していた時から、インドで食べるスパムは究極のごちそうだと思っています(笑)

 

 

 

 

私の誕生日のことはさておき、今回のブログで紹介したいのは「コロニーの人々の暮らし」です。

 

その中でも、コロニーの人々が普段どんな家に住んでいるのかについて詳しく紹介したいと思います!

 

 

 

インドのハンセン病コロニーといってもその状況をすべてひとくくりにできるわけではなく、数階建ての建物があるようなとても発展しているコロニーもあれば、安全に住める家すらないようなコロニーもあります。

 

 

実は私が今までに行ったことのあるハンセン病コロニーは、西ベンガル州にある9つのコロニーだけです。(西ベンガル州だけでも約35のハンセン病コロニーがあります。)

 

 

しかしその9つだけを見ても、その暮らしぶりはコロニーごと、さらにはコロニー内でも大きく異なっています。

 

 

 

コロニーを訪れるときにまず目に入るのが、そこにある家屋。

 

そして、コロニーにある家屋がよく抱えている問題が「雨漏り」です。

 

特にこれからやってくる雨季には、雨漏りがすることで家の中で寝ることができなかったり、床が濡れて滑って危ないなど、生活に支障が出てしまいます。

 

 

 

 

では、コロニーにある家屋の屋根はどんな素材で作られているのでしょう?

 

実はこれにもいくつか種類があります。

 

 

 

 

*ビニール

 

 

柱を立てて、そこにビニールを屋根として付けただけの、もはや家とは呼べないところに住んでいる人たちがいます。

 

雨風をしのぐこともできない上、ゆっくり休むこともできない、安全安心からは程遠いものです。

 

以前わぴねすが活動を検討し諸事情で断念したボラコールコロニーが、このような粗末な家(?)しかないコロニーでした。

 

ボラコールコロニーの家屋

 

 

 

 

*瓦

 

 

 

 

マニプールコロニーはこの瓦屋根が多いです。

 

きちんと瓦をはめこんでスキマを作らないように固定すれば問題はないのですが、瓦を並べておいただけできちんと固定されていないことも多く、そこから雨が漏れてきてしまうことが多いです。

 

また、瓦を置いているだけだと嵐が来たときに屋根が崩れて家ごと倒壊してしまうことも…。

 

チャクドラコロニーにも過去に嵐で倒壊してしまい今は使われていない家屋があります。

 

 

 

 

*トタン

 

 

 

 

 

ビシュナプールコロニーにてほとんどの家屋に使われている素材がこのトタン。

 

私たちは「Tin(ティン)」と呼んでいます。

 

これは屋根の素材のなかでもかなり安価で手に入りやすいです。

 

 

 

しかし経年劣化によって穴が開いてしまうため、家を建ててしばらくすると雨漏りに悩まされることに。

 

さらに日光に当たることでトタン屋根が非常に高温になり、昼間は家の中にいられないほど室温が高くなってしまうこともあります。

 

また、コロニーにある家屋は屋根がかなり低いことが多いため、さらに室温があがってしまう原因にもなっています。

 

 

 

 

*アスベスト製

 

 

 

 

 

インドでは「アスベスタス」と呼ばれています。

 

アスベスタスの屋根はその名の通り素材の中にアスベストが含まれているもので、特に家屋を取り壊す際に非常に危険です。

 

また経年劣化によってアスベストが出てきてしまうこともあるため、長年住むことによって健康被害が発生してしまうことがあります。

 

値段はトタンよりも少し高いもののトタンほど家の中が高温になることがないため、多くの家屋がこのアスベスタスの屋根であるコロニーもあります。

 

 

 

 

*セメント

 

 

 

 

 

一番頑丈で雨漏りもせず、非常に快適に住むことができるのがセメント造の家屋です。

 

基本的に屋根がセメントであれば壁や床もセメントで造られています。

 

 

 

しかし、数ある素材のなかでも一番値が張るのがセメント。

 

コロニーの中でも裕福な、限られた家族しかセメント造の家屋に住むことが叶わないのが現状です。

 

そのため同じコロニー内でも、大きくて立派なセメント造の家に住んでいる村人もいれば、粗末で雨漏りのする狭い家に住んでいる村人もいる、という状況も見受けられます。

 

 

 

また、私たちが活動しているビシュナプールコロニーには、セメント造の家屋はありません。(コロニーにある小学校だけがセメント造です。)

 

チャクドラコロニーにもセメント造の家屋はありませんでしたが、3月のキャンプで1軒セメント造の家屋を建てました。

 

 

 

 

 

 

以上が主な家屋(特に屋根)の素材です。

 

基本的にセメント造の家屋以外は何らかの問題を抱えていると言えますね。

 

 

 

雨漏りは非常に深刻な問題ですが、村人は雨漏りがする部分にこのような黒いビニールシートや麻袋などをかぶせて対処をしていることが多いです。

 

 

 

しかし、この対処で多少状況が改善されたとしても問題解決には不十分です。

 

 

 

さらに村人が住む家屋には、土壁が風雨によって削れてしまう、壁にたくさん亀裂が入っている、床が雨漏りのせいで削れてデコボコ、など屋根以外にも様々な問題があります。

 

それぞれの家にはトイレも水道もついていないことが多く、トイレに至っては公共のものすらないこともあります。

 

 

 

これらの問題が解決され、コロニーに住む人々が安心安全な環境の中で生活できるよう、活動に励んでいきたいですね!

 

 

 

 

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